前回、100歳時代ですごす我々の住まいで、いい状態の一番に
「雨漏りがない状態」です。というお話でしたが、皆さんはどう思われたでしょうか？
きっと、「当たり前な事」と思われましたよね・・・。
最近では、これら「当たり前な事」が少し変化してきています。
今回は、雨漏り以外でここ数年多くなってきた改装が
どんなものかをお話いたします。
夏は窓からの風と扇風機で過ごし、エアコンは時々。
寒い冬はコタツに入りながら灯油ストーブ
朝起きて、布団から出るのはホントに大変でした。
ひと昔、・・ふた昔以上前。 私が子供の頃の記憶・・・、
「冬は寒く、夏は暑い」→『当たり前』を疑いもしていませんでした。
ところが、住宅関連の仕事に携わっている現在
この住宅環境はまったく「当たり前」ではない、が
『当たり前』になってます。
本題のまえに『窓』って何でしょうか？
そう！あの『窓』です。
『ウィキペディア（Wikipedia）』では・・・
「窓（まど）とは、採光、通風、眺望といった目的のために日常は人の出入りに供さない開口部に設置される可動型もしくははめ込み型の建具」とあります。
窓は「間」と「戸」の合わさり、「間戸」という言葉が語源で・・・、
「間」「マ」は柱と柱の間で、「戸」「ト」は扉そのものではなく通れるところの意・・・、
ようするに柱と柱の通れるところが「間戸」と呼ばれたんだとか・・・。（諸説アリ）
この『窓』が、実は「冬は寒く、夏は暑い」の
最大の原因である場合が多いのをご存じでしょうか？？
ひとえに『窓』と言っても、「ガラス」と「サッシ」で構成されていますが・・・
【ガラス】
“単板ガラス”
築２０年以上の住まいの多くは厚さ3～6mmの単板ガラス（一枚のガラス）で
温められた室内温度の約50%が奪われ、暖房は効かず足元は寒く
室内外の温差差が大きいので「結露」で窓がビショビショにもなります。
“複層ガラス”
2枚のガラスの間に空気層を設けたガラスで、いわゆるペアガラスです。
空気層が厚いほど断熱性がよく、単板から複層にかえるだけでも
温室環境は改善されます。
“Low-E複層ガラス”
2枚のガラスのどちらか1枚に、「Low-E膜」と呼ばれる
金属膜をコーティングした複層ガラスです。従来の複層ガラスよりも性能が上です。
室内側のガラスをコーティングするタイプは室以内の熱を逃がさず結露もしにくい冬型で
室外側のガラスをコーティングするタイプは日射熱が室内に侵入する事を抑える夏型です。
又、空気層にアルゴンガス入りとすれば、さらに断熱性能が上がります。
※ノーマルな複層ガラスの空気層は乾燥空気です。
築年数の浅い住まいや新築住宅は、概ね“Low-E複層ガラス”が使用されています。
ちなみにガラスを3枚用いることで2つの中空層を設けた“Low-Eトリプルガラス”
と言う非常に高性能なものも製品化されていますが、
価格が高価なこともあり、まだまだ普及はしてません。
【サッシ】
“アルミサッシ”
「サッシ」は「サッシュ」とも言われ、「ガラス窓に使う、金属製の窓枠」のことです。
昭和４０年代半ばに、それまで住宅用サッシの主流だった木製サッシから、
軽くて耐久性が高く、雨仕舞の良く、窓からの隙間風も少ないアルミサッシへと
変化してゆき、価格が安い事もふくめ現在でも多くの住まいで使用されているのですが
アルミ素材のもつ「熱を伝えやすい」という断熱とは真逆の性能が弱点となり、
「冬は寒く夏は暑い」の原因となっています。
“樹脂サッシ”
樹脂という素材はアルミと比較して約１/1000の熱伝導率なので、
室内外の熱を逃がしにくく、気密性も優れている為、防音にも効果があります。
欠点は、アルミサッシと比べて重量が重く、窓の開閉がしにくいことと強度が落ちる事です。
北海道は樹脂サッシが当たり前なのですが、我々の身近なエリアではまだまだです。
“アルミ樹脂複合サッシ”
アルミサッシと樹脂サッシの “いいところ”を組み合わせた『ハイブリット』
“いいところ”どりは我々日本人の得意技ともいわれてますね・・・
アルミ枠に樹脂で室内側をカバーしたもので、断熱性能、コストともに
アルミサッシと樹脂サッシの中間的製品です
いつのまにか、本題に入っているのですが『窓』をリフォームする事で、
「冬は寒く夏は暑い」は驚くほど「改善」できます。
その改善の効果は、大きく分けて２つあります。
１つ目は住む人の健康面に与える影響。
もちろん良い影響です。窓からの熱侵入を防ぐことで、部屋同士の温度差が生じにくくなるため、「ヒートショック」（急激な気温変化に伴う循環器系のダメージ）のリスクが低減します。
もう１つは、省エネ。気温差が生じにくく室内の気温が一定に保たれるため、エアコンにかかる負担が低減します。それは、結果的に電気代の減少につながります。
「窓」だけのリフォームでも、暮らしは大きく改善します。
ご相談、ご質問がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
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